事業承継って何? 正しい知識で事業承継を成功させよう!
会社を続けていれば、経営者の交代は必ず訪れます。
そこで必要になるのが事業承継です。
経営者にとっては会社を継続させていくためには避けては通れない課題ですが、
具体的にどのようなものかを把握している経営者はあまり多くありません。
そこで今回は事業承継について解説していきます。
目次
1.事業承継とは?
事業承継とは、会社の経営を現在の経営者から後継者へと引き継ぐことを意味します。
引き継ぐという用語には「承継」と「継承」がありますが、それぞれ次のような意味になります。
「承継」・・・地位・事業・精神などを引き継ぐこと
「継承」・・・身分・権利・義務・財産などを引き継ぐこと
したがって事業承継とは、会社の経営権・資産だけではなく経営者の理念・会社の文化なども引き継ぐことを示しています。
中小企業においては経営者の人柄などが会社の強みや魅力となっていることが多いため、後継者が誰になるのかは非常に重要であり慎重に検討する必要があります。
2.事業承継の種類
事業承継には、大きく分けると以下の3種類があります。
①親族内承継
親族内承継とは、経営者の子供や親族への承継のことで、以前は事業承継全体の9割以上を占めるほど、中小企業で中心となっている承継方法でしたが、後継者不足により現在では6割を切っています。
親族内承継のメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・後継者が、従業員や取引先など社内外の利害関係者に受け入れられやすい
・株式や事業用資産等を相続などにより後継者に引き継ぐことができる
【デメリット】
・後継者の教育に時間がかかることが多い
・後継者以外の親族との間で相続についての問題が起きやすい
②親族外承継
親族外承継とは、親族以外の役員・従業員等への承継のことで、経営者と長年一緒に働いてきた従業員への承継が大半ですが、社外から後継者を招き入れるケースもあります。
親族外承継のメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・後継者の教育にかかる手間が少なくなる
・後継者の選択肢が広がるため、経営者の資質の有無での選択が可能
【デメリット】
・社内での分裂などが親族内承継に比べて起きやすい
・自社株の買い取りにおいては後継者の資金力不足が問題となる
③M&A
M&AとはMerger(合併)and Acquisitions(買収)の略で、親族・従業員以外の第三者が企業を買収等することにより承継する方法です。
M&Aによる事業承継のメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・買手企業による事業への投資拡大・事業拡大の可能性がある
・買手企業の他の事業との相乗効果が期待できる
【デメリット】
・買手企業との交渉など、成立までに長時間を要する場合がある
・買手企業による雇用・労働条件の変更により従業員の離職の恐れがある
3.まとめ
事業承継には、後継者の選定や育成、業務の引継ぎなど、事業承継を実行するまでに10年程度かかるとも言われています。
また平均引退年齢が70歳前後であることを踏まえて60歳までには、「誰に?いつ?どのように?」事業承継するかという方針を決め、事業承継に向けた準備に着手することがポイントになります。
まずは経営者として事業承継に向けた準備の重要性を認識し、顧問の税理士・取引金融機関・公的支援機関など信頼のおける相手に相談してみましょう。
当事務所「山下総合会計」でもご相談をお受けいたしますので、お気軽にご連絡ください。
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